うつ病帝国

うつを患っている自分の、うつに関する様々な事象の手記。備忘録みたいなもの。

うつと音楽

うつ症状が酷いときは、以前好きだった音楽、アーティストの一部をまるごと全部忘れていた。
うつと診断されてから2年になるが、診断前の精神が不安定な時期も含めると、
おおよそ3年程アタマから抜け落ちていたことになる。

最近になり、以前趣味だった楽器を再び始めたことで、
過去に聴いていた音楽を思い出したのである。
なぜ楽器を再開するに至ったかは、別項であげようと思う。

うつ症状が酷くなると、意識が外に向かなくなる。
酷くなる前だとしても、症状に比例するかのように億劫感が勝っていき、
本人は原因に気付かぬまま、ただ趣味だったものに興味が持てなくなるのである。

なぜ無自覚なのか、今だから解るのだが、
当時はただなんとなく楽器に向かうのが面倒になり、
それは演奏にあてる時間が勿体無いのであり、
平日は仕事帰りの少ない自由時間で、また休日は限られた時間内で、
仕事のストレスを解消する休息が必要があったからに他ならない。

しかしながら、楽器を演奏することは楽しい。
ストレス解消に一役買いそうなものなのだが、
当時の心境としては、仕事で新しいことをしているのに、
プライベートまで新譜を覚える余剰はないといったことや、
また、演奏は体力も使うものだから、
仕事で疲れているのに演奏で体力を消耗したくないというのが、
ただ面倒という一言の中に含まれていたのではないかと、今になって推察される。

話が逸れてしまったが、最近になるまで、
うつとは無縁の頃に聴いていた音楽を忘れていた。
この頃はHDD内にある耳心地良いジャンルを、またはネット上にある耳心地良いジャンルを、
同じものを延々と聴いていたように思える。
おかしな話だが、以前好きだった曲も同じHDD内にあるのに全く気が付かないのだ。
選曲の際に目に入るのだから、これは無意識に忌避していたのだと思う。
なぜ無自覚に避けていたのかは未だに理解できてはいないが。


最近、症状が軽くなり(それでも浮き沈みは激しいが)、
楽器の再開を期にかつて聴いていた音楽を思い出し、
HDD内にあるだけでは飽き足らず、派生に至るまでレンタルで借りまくったのは言うまでもない。


本項のまとめ:趣味が面倒になり始めたらうつ症状のサイン
       飽きると面倒は別の事象